麻雀の役や基本的な流れを覚え、「いざ本格的な対局へ!」と意気込む初心者が最初に挑戦するのが「東南戦(とうなんせん)」、通称【半荘】(はんちゃん)です。
しかし、短い東風戦に比べてゲームの流れが複雑で、「プレイ【時間】が長くて集中力が続かない…」「南場になると急に逆転されて、どうしても【勝てない】…」といった壁にぶつかっていませんか?
それもそのはず、東南戦は単に局数が多いだけでなく、麻雀の醍醐味である駆け引きや戦略性が凝縮された王道のルールだからです。このルールの本質を理解し、状況に応じた戦い方を身につけることこそ、初心者から中級者へとステップアップするための絶対条件と言えます。
この記事では、東南戦の基本から、東風戦との決定的な違い、そして「勝つ」ための具体的な戦略まで、徹底的に解説します。この記事を最後まで読めば、あなたも半荘の流れを完全に掴み、麻雀を心から楽しめるようになっているはずです。
東南戦(半荘)とは?まずは基本ルールを覚えよう

東南戦(とうなんせん)、別名【半荘】(はんちゃん)は、現代麻雀で最も標準的なゲーム形式です。プロの対局やオンライン麻雀の段位戦など、その多くがこのルールで行われます。まずは基本をしっかり押さえましょう。
東南戦と東風戦の違いを理解する
麻雀のゲームは、親が一周する「場」という単位で進行します。東風戦と東南戦の最も大きな違いは、この「場」の数、つまりゲームの長さです。
東風戦(とんぷうせん)
- 東場(とんば)のみで構成される短いゲーム。
- 親が一周(東一局〜東四局)すると終了。
- 短期決戦型で、一回のアガリの価値が非常に高いのが特徴です。
東南戦(とうなんせん)
- 東場に加えて南場(なんば)も行う、より長いゲーム。
- 東一局〜東四局が終わり、誰も持ち点がマイナスになっていなければ、南一局に突入します。
- プレイ【時間】は平均40分〜1時間程*と長く、より高度な戦略性が求められます。一度の大きな失点を挽回するチャンスが多く、大逆転劇が生まれやすいのが最大の魅力です。
最終的な着順と点数の関係
麻雀の勝敗は、ゲーム終了時の持ち点の多さで決まります。しかし、多くのルールでは、持ち点に加えて「順位ウマ」や「オカ」といった要素が加算され、最終的なスコアが算出されます。
- 順位ウマ:1位と2位にプラスのポイント、3位と4位にマイナスのポイントが与えられるルール。例えば「1位+20, 2位+10, 3位-10, 4位-20」のように、順位そのものが重要になります。
- オカ:トップ賞とも言える、1位のプレイヤーだけに与えられるボーナスポイントです。
これにより、ただ点数が多いだけでなく、最終的に何位で終わるかが非常に重要になります。
ゲームの終了条件と流局(りゅうきょく)のルール
東南戦は、以下のいずれかの条件で終了します。
- 南四局(オーラス)が終了した時:最後の局が終わり、順位が確定します。ただし、オーラスで親がアガった場合、トップでなければ続行(連荘)するか、トップなら終了(アガリやめ)するかを選べるルールが一般的です。
- 誰かの持ち点がマイナス(0点を下回る)になった時:通称「トビ」「ハコテン」と呼ばれ、その時点でゲーム終了となります。
また、誰もアガれずに局が終わることを「流局(りゅうきょく)」と言います。流局した場合、親がテンパイしていれば次の局も親を継続(連荘:レンチャン)し、ノーテンであれば親が次の人に移ります。
初心者向け!東南戦の進め方と勝つための基本戦略

東南戦で【勝てない】と悩む人の多くは、東場も南場も同じように打ってしまっています。ゲームの流れを「序盤」と「終盤」に分け、戦い方を切り替える意識が勝利への鍵です。
序盤(東場)の戦い方|大胆にリードを奪いにいく
東場はまだ局数が多く残されているため、失点を恐れずに高打点を目指す攻撃的な姿勢が有効です。なぜなら、もし放銃してしまっても、まだ挽回する【時間】とチャンスが十分に残っているからです。
- 積極的にリーチを狙う:リーチは1翻役に加え、裏ドラの期待値もあり、手軽に打点を上げる強力な武器です。
- 大きなリードを目指す:一度大きなアガリでトップに立てば、後の展開を有利に進められます。少々の失点は気にせず、自分の手を育てることを意識しましょう。
東場で守備に徹しすぎると、点数を稼ぐチャンスを逃し、じり貧になってしまう可能性があります。
終盤(南場)の戦い方|順位を守り、上げる立ち回り
南場に入ると、残りの局数が少なくなり、ここでの失点は致命傷になりかねません。重要なのは、現在の自分の順位に応じた立ち回りをすることです。
- トップの場合:無理な勝負は徹底して避けます。最優先事項は「放銃しないこと」。アガることよりも、リードを守り抜く意識が重要です。
- 2位、3位の場合:順位を上げるため、必要な点数を意識した手作りをします。時には安い手でも確実にアガリ、局を進めたりライバルを蹴落としたりする戦術も有効です。
- 4位(ラス)の場合:とにかくラスを回避する「ラス回避」の意識が最重要です。順位ウマによるマイナスが大きいため、3位に上がることを第一目標にしましょう。高打点を狙いつつも、他家の順位変動にも気を配る必要があります。
「南場ではラス目の親にだけは放銃するな」という格言があるほど、終盤の失点は致命傷になりかねません。
オーラスでの逆転を目指すなら?
最終局である南四局(オーラス)は、思考をフル回転させるべきクライマックスです。
- 点差を正確に把握する:上の順位に上がるために「何点の手を」「誰から」アガる必要があるのかを計算します。
- ツモアガリか、ロンアガリか:ツモなら逆転できるのか、それとも特定の相手からの直撃が必要なのかで、狙うべき戦術が変わります。
オーラスで冷静な状況判断ができるようになれば、初心者卒業は目前です。
点数計算が不安でも大丈夫!東南戦で役立つ計算のコツ

「点数計算が苦手で、麻雀に【勝てない】」という初心者は非常に多いです。完璧に暗記する必要はありません。まずは戦略に直結するポイントだけ押さえましょう。
親と子の点数差は「1.5倍」と心得る
最も重要なのは、「親の点数は子の約1.5倍高い」ということです。
- 自分が親の時:アガリのチャンス。積極的に高打点を狙いましょう。
- 相手が親の時:最大の警戒対象。親への放銃は致命傷になるため、守備の意識を一段階上げましょう。
この親子の点数差を意識するだけで、押し引きの判断が格段に変わります。
点数の移動パターンを把握しよう
- ロンアガリ:放銃した一人が、全額を支払う。(1対1の点の移動)
- ツモアガリ:自分以外の三人が、点数を分割して支払う。(全員から少しずつ点をもらう)
自分がラス前で、ラス目(最下位)のプレイヤーを沈めたい時などは、ツモアガリより直撃のロンアガリを狙う、といった戦略に繋がります。
初心者が覚えるべき役と点数例
まずは、出現頻度の高い役の点数をざっくりと覚えましょう。(子の場合のロンアガリ目安)
- 1翻(約1,000点):リーチ、タンヤオ、役牌など
- 2翻(約2,000点):ダブルリーチ、七対子、ドラが絡んだ時など
- 3翻(約3,900点)
- 4翻(約7,700点、満貫)
麻雀の点数は「満貫(まんがん)」という約8,000点のアガリが大きな基準になります。まずは「満貫は大きなダメージ」と覚えておけば十分です。

勝率アップ!東南戦をさらに楽しむための応用知識
基本戦略をマスターしたら、次は一歩進んだ応用知識でライバルに差をつけましょう。
リーチ判断のタイミングとリスク
「テンパイ即リーチ」は必ずしも正解ではありません。リーチをかける前には、一瞬立ち止まって考えましょう。
- 待ちの形は良いか?:待ち牌が多い、良い待ち(良形)ならリーチの価値は高いです。
- 打点は十分か?:安い手でリーチをすると、反撃された際のリスクに見合わないことがあります。
- 場の状況は?:終盤で自分がトップの場合など、リスクを冒してリーチする必要がない場面もあります。
守備の基本|危険牌を見極める
相手からリーチがかかった場合、放銃を避ける守備(ベタオリ)が必要になります。安全な牌を見つける基本的な方法は以下の通りです。
- 現物(げんぶつ):リーチした相手が捨てた牌。フリテンのルール上、これに当たることはないので100%安全です。
- スジ:数牌の「1-4-7」「2-5-8」「3-6-9」の関係性を指します。例えば「4」が捨てられていれば、リャンメン待ちを想定した場合「1」と「7」は比較的通りやすい、という理論です。(※ただし、カンチャンやペンチャン待ちには当たる可能性があり、100%安全ではありません)
- 壁(カベ):例えば「4」の牌が自分や他家から4枚全て見えている場合、それより外側の「1」「2」「3」は安全度が高まります。
相手の捨て牌(河)から情報を読み取る
相手の捨て牌(河)は、その人の手牌を推測するための情報の宝庫です。
- 序盤に字牌や端の牌がどんどん切られる → タンヤオやピンフなど、中張牌を使った手の可能性が高い。
- 特定の色の牌(萬子・筒子・索子)が全く出てこない → その色で手を染めている(ホンイツ・チンイツ)可能性を警戒しましょう。
相手の狙いを読むことで、危険牌を予測し、守備に活かすことができます。
東南戦に関するよくある質問(Q&A)
初心者が東南戦で抱きがちな疑問にお答えします。
まとめ|東南戦を制して麻雀をもっと楽しもう
今回は、麻雀の最もスタンダードなルールである東南戦(【半荘】)について、その本質的な面白さと勝つための戦略を詳しく解説しました。
東風戦とは異なり、プレイ【時間】が長く、東場と南場でゲームの流れが大きく変わる奥深さが半荘の最大の魅力です。この記事で学んだように、
- 序盤(東場)は大胆に攻めてリードを狙う
- 終盤(南場)は順位を意識して守備や立ち回りを変える
このメリハリをつけることが、「なかなか【勝てない】」状況から抜け出すための何よりの特効薬です。点数計算も、まずは親と子の違いを意識するだけで、あなたの打牌選択は劇的に変わるはずです。
ぜひ、この記事を参考に戦略的な思考を持って半荘に挑み、麻雀の本当の楽しさを味わってください。
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